オフィス勤務再開 - 最新のガイダンス
31 March 2021
オフィスで勤務すべき人に関する最新のガイダンスを含め、オフィスにおける新型コロナ対策の新しいガイダンスが政府から発表されました。この記事ではオフィス再開計画におけるこのガイダンスの意味を検討します。
2021年3月、ロックダウン措置の段階的な緩和の根拠となる新たな規制が施行されました。この規則の下では、合理的な理由があれば従業員の在宅勤務は法的要件ではなくなりました。(詳細についてはオフィス再開 - 新たな規制の内容は?をご覧ください。)ただし、ロックダウン解除に向けたロードマップの一環として、可能であれば従業員の在宅勤務を引き続き推奨することを政府ははっきりと示しています。
最新の在宅勤務に関するガイダンス
その後、最新の在宅勤務のガイダンスを反映して新型コロナ対策のガイダンスが更新されました。
オフィスおよびコンタクトセンター向けのガイダンスでは、可能であればオフィス勤務者は在宅勤務すべきであるとしています。このガイダンスは最低でもロードマップのステップ4(現時点では2021年6月21日の予定)までの期間適用されることになり、その時点でソーシャルディスタンスに関する幅広い見直しの一環として在宅勤務のガイダンスも検討されることになります。
ガイダンスでは、在宅勤務できる者は在宅勤務すべきであるということが再度述べられています。ただし、精神的または身体的な健康上の問題のある労働者や、特に在宅勤務が難しい労働者について、雇用主は在宅勤務が適切かどうか検討すべきであるという点も指摘されています。
新たなガイダンスの表現は昨年のロックダウン前のガイダンスと比べると一段と具体的になっています。昨年のロックダウン前のガイダンスには、「効率的に」在宅勤務のできない従業員はオフィス勤務ができると記載されていました。健康上の問題のある従業員や在宅勤務の環境が整っていない従業員について言及されている点は雇用主にとっては朗報と言えるでしょう。このような理由から在宅勤務に困難を感じているスタッフをサポートするために、制限付きでオフィスの再開を検討できるためです。ただし全体的なメッセージとしては、具体的な問題がある者のみがオフィス出勤すべきであり、少なくとも今後1カ月間は引き続き在宅勤務が基本であるというものでした。
オフィス再開に向けた意味合い
最新の規制とガイダンスを受けた雇用主の状況は次のようになります。
- 在宅勤務のガイダンスは、ガイダンスにすぎません。在宅勤務ができるにもかかわらずオフィスに出勤することは不法行為ではなくなりました。しかし、雇用主としてはただこの点を無視して全員のオフィス復帰を求めることはできません。雇用主は、ガイダンスに従って在宅勤務を継続する従業員に対して懲戒や公正な解雇を言い渡すことはできません。
- 「可能であれば在宅勤務」というメッセージはロードマップの最終段階まで残るもので、オフィス勤務者に対する制限は最終的な制限の解除まで持ち越されるということです。
- 精神的または身体的な健康上の問題や、不適切な在宅勤務環境が理由で在宅勤務が困難な従業員をオフィスに復帰させることは、ガイダンスに準拠した対応です。次のような従業員が対象となります。
- オフィスで特別な設備を利用したいと考える筋骨格疾患を抱える従業員(ただし、雇用主には在宅勤務の従業員に適切な機器を確保するという義務がある点にご注意ください。在宅勤務に関するよくある質問をご覧ください。)
- 在宅勤務が理由でメンタルヘルスに問題を抱えている従業員
- 滞在場所が窮屈または共有であって在宅勤務のための環境が整備されてない従業員、小さな子供など同居者からの邪魔に苦労している従業員。しかし、ガイダンスではオフィス復帰を認めるためには、在宅勤務環境が「特に」困難である必要がある点を強調しています。
- オフィスに出勤するために従業員がクリティカルワーカーである必要はありません。
- ガイダンスが指摘している通り、従業員がオフィス出勤する場合、その点を職場リスク評価に反映する必要があり、職場は新型コロナ対策を講じている必要があります。新型コロナ対策のガイダンスは継続的に更新されており、雇用主は追加的に実施すべきことを確認する必要があります。最新情報には、適切な換気に関する具体的なガイダンスが含まれています。
- 雇用主はオフィス出勤者をモニタリングし、現場が安全に収容できる最大人数について検討する必要があります。ガイダンスでは、完全な在宅勤務が不可能な場合、雇用主は在宅勤務とオフィス勤務の組み合わせを奨励すべきであるとしています。
- オフィスへの復帰を希望する感染リスクの高い従業員には追加的なサポートが必要となるでしょう。医学的に感染リスクの非常に高い従業員をオフィスに出勤させることはお勧めできません。
- 通勤を最小限に留めること、また可能であれば徒歩または自転車の利用が推奨されています。新型コロナ対策のガイダンスでは、地元交通機関を利用して出勤する従業員に関する影響についても考慮し、適切なリスク軽減措置(時差出勤制度など)を講じるべきことが述べられています。
- オフィス再開は雇用主の義務ではなく、安全が確認されない限りオフィスを再開してはなりません。
- 今後、段階的な制限緩和を利用して、小規模な社交的イベント(完全に任意参加)の開催が可能になれば、その計画を検討する雇用主も出てくることでしょう(前回の記事をご覧ください)。また、(願わくは)2021年6月21日の幅広いオフィス再開に向けて計画を始める必要もあります。計画には今後のワクチン接種の影響や職場での検査プログラム、さらには新型コロナのステータス認証のプログラム(導入されれば)の検討が含まれることになります。また、新たなハイブリッドな働き方や柔軟な働き方に関する決定も必要となり、今から計画を始める必要があります。
- オフィスへの出勤の制限は法律ではなくガイダンスによるものですが、オフィスでのミーティングの制限は法律を根拠としています。オフィスでのミーティングは最新の規制によって厳格に制限されています。前回の記事でご説明した通りです。状況の要約は下記の表をご覧ください。
オフィス勤務とミーティングへの参加 - 2021年3月31日現在施行されている現行法とガイダンスの概要
活動 |
現状 |
オフィス勤務 |
従業員が在宅勤務できる場合(健康上の理由または在宅勤務環境が特に困難である従業員以外)、オフィス勤務はガイダンス違反であるものの、違法ではない。 |
オフィスにおける屋内の対面ミーティング(規模を問わない) |
合理的な必要性がない限り違法、オフィスでのミーティングは法令で依然として禁じられている集まりに該当するため。ミーティングをリモートで実施できる場合、社交的な催しである場合、不要不急の場合、そのようなミーティングは違法。 |
オフィスにおける屋外での対面ミーティング(6人まで) |
従業員が在宅勤務できる場合はガイダンス違反(オフィスで勤務すべきではないため)だが、「6人までのルール」が適用されるため違法ではない。 |
オフィスにおける屋外での対面ミーティング(6人を超える場合) |
合理的な必要性がない限り違法。 |